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北にある、あの丘で

anooka.exblog.jp

ネット資産を無駄使いする、そんなブログ

To Heart SS 「2たす1は∞(無限大)」 ~前編~

※ごちゅうい
このお話は、アニメ版「To Heart 〜Remember my Memories〜」を基本設定としていますが、一部PS2版「To Heart2」の設定とキャラクターを使用しています。
つたないSSではございますが、お楽しみ下さい。


「・・・ちゃん、・・・きちゃん、起きてよ。」

なんだ、何だ? 人か気持ちよく寝てるのに。
昨日も、残業で遅かったんだ。勘弁してくれよぉ。

「・ろゆきちゃん、もう時間だよ?」

今度は、体かグラクラ揺れてるぞ。地震か?
まぁ、これぐらいならイイか……。
それになんだか気持ちがいいし。

「もう、浩之ちゃんってばぁ、起きてよ。」
「へ? あ。 お、おはよう。あかり。」
「おはよう、浩之ちゃん。朝食の準備が出来ているから、顔洗ったらごはんたべよ。」
「ああ、分かった。毎朝、ありがとな。あかり。」
「う、うん。」
「あとな、もうそろそろ、その『浩之ちゃん』は止めないか? ママ。」

そう、あの桜の舞う卒業式の日に立てた聖なる誓いを、オレは、俺たちは実現したのだから…。


To Heart After scenario if? 
     「2たす1は∞(無限大)」   =前編=


『ボッ!』
そんな音は聞こえてきそうなぐらい、顔を真っ赤に染め無くてもいいだろ?
確かに、俺たちはカテゴリー的には新婚さんだけど、高校の卒業式に事実上のプロポーズをして、恋人期間イコール婚約者だったんだから。それを含めたらもう何年になるんだっけ?
「///も、もう、浩之ちゃん、からかうと朝ご飯抜きだからね、先に待ってるよ。」
そんなことを言いながら、キッチンへ向かうあかりだけど、全く、動揺しやがって。
右手と、右足が当時に出てるぞ、転ぶなよぉ~。
などと、朝からバカップルな事を考えつつ、顔を洗いに行った。

今、オレとあかりは来栖川重工株式会社 HM研究所に勤務している。
オレは主に来栖川エレクトロニクスが販売してきた、旧HMシリーズと今後のHMシリーズに搭載を予定している、感情制御プログラムの修正と開発に携わっている。
あかりは、オレが携わっているチームの事務と、試験感情プログラムの育成を担当していた。
そう、俺たちは、あの雨の降る夜に、長い眠りについてしまったマルチが、安心して起きられるように、その為の仕事に就いた。
そして、マルチが気が付かせてくれた、マルチが固く結んでぐれた、あかりとの絆を、俺たちは永遠の証として、昨年結婚した。
「社内一のバカップルがようやく結婚したわねぇ~」などと、一応、結婚の報告をした時に、上役である来栖川綾香取締役部長がからかってくれたが、何せ、長瀬主任を始め殆どの同僚に、バカップル認定されていたので、そう言われても、苦笑しか出来なかったのが残念だ。
今なら、嫌みの1つも返してやるのに。
そんなこんなで、結婚してからも、マルチのために行っている作業も行っていたので、帰宅が深夜だったり、休日出勤したりと正直、あかりには寂しい思いをさせているかもしれない。だから、「ママ」と、からかいながら、安心して貰えるように気を使っているつもりだ。


「いただきます。」
「はい、めしあがれ。」
2人で朝食を摂るのも久しぶりな様な気がする。
ここ最近の朝食と言えば、社内の食堂にあるパンとコーヒーの自販機からメニューを選ぶばかり。そして、いち早く自分の端末を立ち上げ、仕事をしながらの朝食が続いていた。
そんな苦労が、昨晩、ようやく実を結んだ。コンピューターを使った仮想実験が成功し、明日、ようやくマルチを目覚めさせる事を、役員会議にかけ承認を貰う算段がついた。

「しかし、このご飯は旨いなぁ。あ、この鯵の干物、本当にフォホ、ゴホゴホゴホ」
「はい、お茶。」
ずずずうっー、フゥ。く、苦るしかったぁ。
ホント、息が詰まったぜ。
「サンキューあかり」
「はぁー、浩之ちゃん、今日は会社お休みだし、ゆっくり食べても良いんだよ。」
「でもなぁ、ホント美味いんだよ。あかりのメシは。」
「だ、だって、私は、世界一の『浩之ちゃん研究家』なんだからね。(///ω///)」
な、何いってんだよ、あかり。しかも、首から上、真っ赤にして。
コッチだって恥ずかしいだろ?
多分オレも、顔真っ赤なんだろうなぁ。
良し、もう少し、イジメい、いや、お仕置きしてやる
「うっ、あ、朝から、何言っているんだ、あかり。」
「だって、浩之ちゃんも、起きる時に恥ずかしいこと言ったじゃない。そのおかえしだよ~」
「何が恥ずかしいことなんだよ。もう、結婚しているんだから、もういい加減イイだろ?」
そうなんだよなぁ、幼稚園時代からずーっと『ちゃん』付きだったからなぁ。
「だって、浩之ちゃんは、浩之ちゃんだよ?」
「だから、隣に住む幼なじみの浩之ちゃんは止めて、オレの愛する人として、奥さんとして、浩之って読んで欲しいんだ。」
って、何恥ずかしいこと言わせるんだよ。これじゃ、オレの方がハズイじゃないか。
「え、ええっ!」
って、そこで驚くんですか? あかりさん。
「だ、だって…。」
「ひ、浩之ちゃん。凄く嬉しいこと言ってくれるんだもん。」

ぴんぽーん []7(^-^ )

「そ、そんなことで泣くなよ。」
なでなで、なでなで。
席を立って、向かい側に座っているあかりの後ろに回り込んだオレは、泣いている、あかりの頭をなでながら、恥ずかしいけど、耳元へ顔を近づけながら優しく囁いた。
「そんなに泣くな、な。」
なでなで、(p_;)\(^^ )
「う、うん。」

ぴんぽーん ぴんぽーん []7(´ー`)

「あ、ありがとうね。」
なでなで、なでなで
「ああ。でも、コッチこそありがとうだ。」

ピンポン、ピポン、ピポン []7(#`皿)
「セリオ、もう、鍵開けちゃいなさい!」

「ねぇ、浩之ちゃん。私って世界で一番の幸せ者だね。」
「そんなことはないよ」
あかり、本当にそんなことはないんだぞ。それを言ったら、オレの方が世界一の幸せ者なんだからな。
だから、そんな気持ちを伝えたい。
伝えたいからキスで…。

「へー、浩之は、朝からお盛んなんだぁ。」

「「いっ!!」」
「はろ~。浩之!」
「綾香!」「綾香さん。」
だー、何じゃこりゃぁー!
な、何で俺たちの家(←愛の巣とも言う)にいきなり、綾香がいるんだ?
しかも、綾香の背中にセリオが隠れてるし。
む、セリオ?
ははーん、セリオに鍵を開けさせて、突入してきたんだな。
それより、住居侵入罪じゃありませんか?
「それ、違うから。」
「は、はい? 何でオレが考えていることが分かるんだ?」
「浩之ちゃーん、全部しゃべっちゃってるよ。」
「浩之は高校の時から、ほーんと変わらないわねぇ。あと、あかりゴメンねぇ。ちゃんとチャイムは鳴らしたのよ。でも反応ないし。」
「あ、い、いえ。」
「で、セリオに頼んで、お邪魔したら、朝からバカップルしてるから。」
あー、だから、綾香の顔が桜色になっている訳ね。
だからって、新婚家庭に侵入しないで欲しいんですが、オレとしては。あかりもそうだろ?
「綾香さん、それよりもどうしたんですか、こんなに朝早く。」
「ええ、実は買い物に行くから、あかりも一緒にどうかしらって思ったの」
「もしかして、そのお買い物って、あの件の事ですか」
「…」、「…」
な・ん・で、あかりには謝って、オレには謝罪の1つもないんですか。
しかも、あかりもオレスルーですか。そうですか。
「ねぇ、浩之ちゃん、お買い物行ってきて良い?」
って、いきなり、話しをこっちへ振るなよ。ビックリするじゃないか。
「ああ。イイよ。荷物持ちにオレも行こうか?」
「ううん、いいよ。浩之ちゃんは、今日はゆっくりしていて。」
「そうよ、あんた最近、まとな休みを殆ど取ってないじゃない。長瀬主任からも言われてるんでしょ? そんなことだと、会社的にも困るのよ。」
「お、オイ、綾香。家庭内に仕事の話しを持ってくるなよ。って、あかり~。オレを睨むな。」
「そうだよ、浩之ちゃん。それにこれは、とっても大事なことなんだからね。」
なんだか、あかりが凄く睨んでいるし、綾香もいつ技をかけてくるかもしれないって言う闘気が見えるんですが。
「わ、分かったよ。今日は家でゆっくるしてるから。」
「浩之ちゃん、ゴメンね。」
「じゃ、浩之、奥様借りてゆくわね。」
「そこで、奥様言うな!」
「(*・・*)ポッ」

つづく

あとがき
ミク友でもあり、リアル友人でもある、マー坊さんからのリクエストで「To Heart」のSSを作ってみました。
お話し的には、ダメダメですね。作った自分が一番分かっています( ̄Д ̄;;)
未だ、ネタとして最初に思い付いた書きたいところは全く書けていませんので、続きものになってしまいます。
駄文ではございますが、もし、宜しければ、続編にお付き合い頂けると嬉しいです。
では、また続きで
by ka-neru_japan | 2008-10-02 19:27 | SS (To Heartシリーズ)

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